華やかはつくれる

美容と料理が趣味のアラサーのブログ

おせち料理2019

おせち料理への意欲

料理が好きなので、季節ごとに色々なテーマで作りますが、おせち料理は特別。

一年の集大成みたいなところがあり、普段の料理の時から「おせち料理にいれても綺麗かも」「おせち用に準備しておこう」という感じで割と頭が働きます。

昨年、初めて1人で全て作ったのですが、準備のし忘れや地域差などがあって、全てやりたいようにはできなかったので、今年はその反省も活かして改良しました。

それでも反省点がまた出たので、備忘録代わりに残しておこうと思います。

書いているうちにめちゃくちゃ長くなって、記事を分ければよかったかな、と後悔したのですが時すでに遅しだったのでそのまま載せます。休憩を挟みつつ読んでください。

 

2019年のおせち料理全容

 

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海老の旨煮

牛八幡巻

松風焼

蛸の桜煮

棒鱈煮

田作り

数の子味噌漬

モッツァレラチーズの味噌漬

いくら醤油漬

クリームチーズ入伊達巻

鯛の子昆布巻

煮染め

生麩の含め煮

花人参

里芋の鶴煮

松笠慈姑

桜百合根

源平膾

紅芯大根甘酢漬

菊花甘酢漬

黒豆煮

金柑甘露煮

栗金団

栗蒸し羊羹

 

全24品とお雑煮の図です。

お雑煮のかまぼこと生麩は購入しましたが、他は全て手作りしました。

食器はナチュラルキッチンとキッチンキッチンでたくさん買い込みました。盛り付け時にバランスを見ながらいろいろ組み合わせてみよう、と思っていたけれど結果的に全て使ったのでした。

 

おせち作りの最初に

まず、おせちを作る前にやっておくべきことは出汁をひくことです。

市販の顆粒だしでも作れますし、普段は私も利用しますが、おせちは必ずちゃんと出汁をひいて作るようにしています。

とはいえ、煮物が殆どなのでかなり大量の出汁を必要とします。その都度引くのは面倒なので、最初にまとめて用意しておくと楽です。

今回は2ℓの水のペットボトルを用意して、その水を使って出汁をひき、冷ましてから漏斗でペットボトルに戻しました。

こうすると冷蔵庫で寝かせて保存しておけるためコンロや調理台も空き、作業の邪魔になりません。

今回は年越しそばも含めて6ℓ弱使い切りました。

出汁のとりかたは好みですが、参考までに私の場合。

  1. 昆布を鍋に入れて水に浸しておく。
  2. 昆布が少し柔らかくなったら鍋に火を入れる。
  3. 沸騰直前に昆布を取り出し、そのまま煮立て続ける。
  4. 沸騰したら、あらかじめだしパックに詰めておいた鰹節、宗田節など加えて弱火で2分ほど煮だし、時間が来たらパックを取り出す。

 

少し雑ですが、これで問題なく美味しく食べられているので良しとしています。

 

いくら醤油漬

いくらも今年はシーズンに筋子から漬けて冷凍しておきました。

 

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コストコで手に入れた筋子

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なんやかんやで漬けて瓶に詰めて冷凍しておきました。

一緒に写っているのは牡蠣のオイル漬です。

これは牡蠣にオイスターソースを塗って焼き、にんにくやローリエ、黒胡椒などと一緒にオイルに漬け込んでおいたもの。

そのままでも勿論、パスタにすると美味しいです。

 

黒豆煮

 

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天候不良や震災の影響で今年は豆類が不作らしく、買いに行った時には新豆は売り切れでした。

新豆の方が皮が破れにくく美しく仕上がるのですが、やむを得ないので29年の豆を購入しました。おせちでそのまま食べて、もし余ってもお菓子作りに使えば良いので200gまとめて仕込みます。

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黒豆は煮汁を合わせて沸かしておいたものに、前夜から浸しておきます。

  • 水800㎖
  • 砂糖140g
  • 醤油小さじ2
  • 塩ふたつまみ

翌日、圧力鍋で20分加圧して、煮汁につけたまま冷まして完成。

あまり甘過ぎるのが嫌なので、比較的あっさりめに仕上げています。

古釘などは入れていないのですが、それでも割と黒くなる。

鉄を入れて煮るともっと鮮やかになるのだろうか、と興味があるので来年は覚えていれば南部鉄のたまごなど用意して試してみたいです。

 

棒鱈煮

棒鱈は昨年は市販品を購入しました。

私には味付けが甘過ぎたのでいろいろなレシピを参考に今年は自分で煮ました。

 

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少量入のものは地元ではあまり売っていないよ、との情報があったので富澤商店(おなじみ)で見つけたお手頃サイズのものを念の為早めに買っておきました。

これを1袋分、パッケージ記載の通りに水につけて戻すと重量が大体4倍弱くらいになります。

この時点ではかなり生臭いのでまずは臭み抜き。
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古来からの伝統に則り、番茶で煮ました。

番茶、あまり普通のお店では見ないので手に入らなければほうじ茶でも良いと思います。

今回、12月頭に京都に出向く機会があったのでその時に手に入れておきました。

香ばしくて美味しいのでお茶としても飲んでいます。

今回は戻した棒鱈を圧力鍋にいれ、番茶をひたひたまで注いで12分加圧したのですが、最終的に棒鱈が半量くらいホロホロになったので、次はもっと下茹での加圧時間を短くした方が良さそう。

 

圧が抜けたら水洗いして、今度は味をつけて煮ます。

  • 出汁400㎖
  • 酒50㎖
  • みりん50㎖
  • 砂糖大さじ5
  • 醤油50㎖
  • 薄口醤油大さじ2

 

上記調味料としょうがひとかけを薄切りにして加え、圧力鍋で3分加圧しました。

思えばこの時、圧力をかけずに地道にコトコト煮含めれば良かったのですが、これでトドメを刺す形になり、半量ほど煮崩れてしまいました。後悔先に立たず。

再び圧が抜けたら、最後にフライパンに煮汁ごと移して、水分を飛ばしながら煮絡めます。

煮汁があらかた飛んだら、水飴大さじ1を加えて照りを出して完成。

ホロホロになってはしまったものの、味付け自体はちょうど良かったです。

おせち用には形の残っているものを厳選して乗せていますが、棒鱈は来年も要研究だと思いました。

 

金柑甘露煮

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金柑はへたをとって、縦に切込みをいれます。

一度ゆでこぼした後、隙間から爪楊枝でくり抜くように種を取って、小一時間水に晒しておきました。

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晒し終わった金柑たち。

あとは金柑の重量の半分の砂糖と、ひたひたの水でコトコト煮るだけ。

火にかけては消し、かけては消し、と金柑が柔らかくなるまでひたすらコトコトしました。他の作業の片手間に出来るので、半日以上かけてコトコトしていたと思います。

今回は砂糖だけでシンプルに煮ましたが、好みで洋酒や蜂蜜をいれるのもアリだと思いました。白ワインもいいかも。

来年は少しアレンジしてみたいです。

 

松笠慈姑

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くわいは実家で食べる習慣がなかったので、初めて煮ました。

縁起物なので松笠に飾り切り。以下、今年やってみて一番やりやすかった方法です。

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まず底面を切り落とし、6分割に薄く切込みをいれます。

これは切れ目を入れるというよりはガイドラインにする感じ。
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そのまま、その延長線上に包丁を滑らせ、側面にもガイドラインをいれます。

写真は撮影用に深めに入れましたが、肉眼でわかる程度に薄くで大丈夫。


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六方にむいたところ。
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最後に六方の角の部分にひとつ飛ばしに切込みをいれていきます。

バランスをみながら仕上げて松笠慈姑の完成。

今回は黄色くしたかったので梔子と一緒に煮ました。ころんとして可愛い。

ただ、味は若干のクセが気になりました。油で揚げてから煮含める方法もあり、次はこちらも試してみたいです。

 

花人参

人参の飾り切りはたくさん用意しておくと便利です。

お雑煮にいれたり、おせちを並べた時のちょっとした隙間埋めにも活躍します。

私は色を綺麗に仕上げたいので、煮染めにも人参と里芋は入れずに別に仕込んで後で合わせます。


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黄色い金美人参は菊花人参にしました。

菊型で抜いて彫刻刀で彫っているところ。

飾り切りが好きなのでキッチン用に彫刻刀を用意しました。
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いつものねじり梅も大小作りました。

全てまとめて出汁と薄口醤油、みりんで煮てあります。

 

花弁百合根

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今年の春に西陣魚新のお弁当を食べた時に入っていて、とても可愛かったので真似しました。

百合根の鱗片を花弁形に剥き整えて、食紅と少量の酢を水でといたものを鍋に沸かし、炒りつけて水に放します。
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写真は放した直後なのでまだ赤が強いですが、ここでは余分な食紅を落とすだけなのでそのままで大丈夫。

別で水と砂糖、酢少々を沸かして作っておいたシロップに漬けこんで、数時間以上置いておくと色が抜けて断面が赤からほんのり桜色へ変化します。

正直、無くても問題ないのですが、プレートに盛るタイプのおせちなのでかわいく隙間を埋めてくれるものとして作りました。

あと、単純にやってみたかった。

今回は30日に仕上げておいたのですが、飾る時には「かなりほんのり」程度の桜色になっていたので、最初の炒りつけの時にもっと強めに色を入れておいてもよかったかも。

 

クリームチーズ入伊達巻

突然ですが伊達巻が苦手です。

甘い卵焼きが嫌な人なので、必然的に伊達巻も苦手。

縁起物だし、見た目はとても可愛いのでおせちにはいれたい、というせめぎあいのもと、クリームチーズを入れて巻くことにしています。

チーズがあることで、ほんのり甘い伊達巻がうんと食べやすい(当社比)。


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はんぺん、たまご、さとう、みりん、醤油をフードプロセッサーで撹拌してオーブンで焼いたところ。

こんがり焼き目をつけたかったので200度です。
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1センチ角に切ったクリームチーズを2列に並べ、熱いうちにまきすで巻きます。

クリームチーズが溶けるので、チーズを並べてから巻くまではなるべく手早くやるのがポイント。

また、クリームチーズはあらかじめ切ってから直前まで冷蔵庫で冷やしておくと良いです。

まきすを立てて冷まして、冷えたら切ります。

本当は鬼巻きすがあると格好良く仕上がるのですが、年に一度のことなので普通のすだれで巻いています。

 

蛸の桜煮

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ANOVAを使って作りました。

コンセントさえあれば作れるので、コンロが空いて便利です。

今回の味付けが美味しかったので覚書

  • 出汁300㎖
  • 酒大さじ3
  • 薄口醤油大さじ2
  • みりん小さじ2

ANOVAの設定は80度で4時間です。

蛸のプリプリした歯応えは残りつつ、噛み切りやすい硬さでした。もっと柔らかく煮たければ、プラス1時間でも良いかも。

ただ、あまり煮すぎると表面が煮崩れて見た目が悪くなるので、おせちには少し硬めに仕上げる方がおすすめです。

 

生麩含め煮

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お正月用の可愛い形の生麩です。

店頭で売切れていたら困るので、送料はかかりますが通販で注文しました。

冷凍しておけるので、早めに頼んでおくと良いです。

そのままだと無味なのと、気軽に使いにくいので、出汁と薄口醤油、みりんで薄味で煮ておきました。

こうしておくと、そのまま添え物にできます。

お雑煮にも添えるととても可愛いです。

 

源平膾

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去年、上手に出来なかったのでリベンジです。

ごぼうと人参を細切りにしてから甘酢漬けにし、水引きの要領で結びます。

昨年は時間のない中おせちの盛り付けの時に結んだので、かなり妥協してしまいました。反省。

水引きのそれぞれの結び方の持つ意味を調べたら、淡路結びが相応しそうだったので、発狂しそうになりながら必死に結びました。

コツとしては、人参とごぼうは出来る限り細く長くとること、人参は皮に近い側から使うことです。

酢漬けにする時点ではそこまで細くしなくてもいいですが、火を通してから結ぶ直前になるべく細く切り整えます。

淡路結びの結び方はインターネットでたくさん出てくるのでそちらを参考にしました。便利な時代です。

 

牛八幡巻

人参と合わせて市松にしても良かったのですが、花人参を大量に用意しているので、ここはごぼうだけにしました。

ごぼうは皮を剥いて15センチほどの長さに切ったものを作りたい本数用意します。

なるべく、径が一定の部分を選んで使うようにすると見た目が綺麗です。

まるごと1本では煮えにくいのでそれぞれ縦四等分にしてから下記調味料で煮ます。

  • 出汁400㎖
  • 酒大さじ2
  • みりん大さじ1と1/2
  • 醤油大さじ1と1/2

 

まず、出汁と酒だけで10分ほど煮てからアクをとり、そのあと残りの調味料を加えて20分ほど煮含めます。

私は味見用に少し多めに煮て、柔らかくなったかどうか確認しました。

煮汁につけたまま冷ましたものを、もとのごぼうの形になるように4本ずつ組んで牛肉で巻き、醤油、みりん、砂糖、酒で甘辛く炒めたら完成。

冷めてから切ると断面が美しく仕上がります。

今回はすき焼き用の大きめの薄切り肉をごぼう1本につき1枚使ったのですが、もう1枚巻くともっと厚みが出て断面のバランスが良くなると思うので、来年はお肉増量で行きたいです。

 

鯛の子昆布巻

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これはおそらく今年限り。

そもそも、昆布を煮たものがあまり好きではないのですが、縁起物だしな、ということで作りましたが、やっぱりあんまり好きじゃなかった。

昆布で鯛の子を巻く作業が大変で、タコ糸でなんとか体裁を整えて煮ました。

煮てしまえば形は決まるので、冷めて落ち着いてから別で煮た干瓢で結び替えています。結構な労力。

見た目は華やかで可愛いのですが、前述の通りもともとあまり好きなものでは無いので、労力と美味しさが圧倒的に釣り合わず、微妙な気持ちになりました。

来年は別メニューを検討します。

 

おせち作りは楽しい

今年は12/27に買い出しに出かけ、日持ちのするものから作業を始めました。

間に実家に帰ったり、パンを焼いてみたりお菓子を作ってみたりしていたので、おせち作りだけに集中して作業を行ったのは延べ3日くらいだと思います。

ただ、作業に時間がかかったというよりは、コンロで煮ている作業が長くてキッチンから離れられなかった印象です。

コンロの使い方のスケジュールをもっと細かく組めば、もっと余裕が出たのかもしれません。

ハレの日の料理をつくる、という作業は個人的にとても好きで、あれこれ飾り切りをしたり装飾を施したりできるので、わくわくします。

今年は見た目を重視してメニューを選抜しましたが、来年は味の面も更に改良していきたいです。

おせちを自作すると、好みの味付けで好きなものだけ作れるのが強みだと思います。

毎年同じだと芸がないかな、と思ってしまう性分なので、これからも年々レシピを改良しながら楽しみたいです。